スリランカで有名なバワ建築ホテル15選を一覧にして紹介!女子旅にもぴったりな極上リゾート!

  • URLをコピーしました!

南国スリランカには、建築と自然が見事に融合した伝説的なホテルが点在しています。それらは「バワホテル」と呼ばれ、高級リゾート志向の旅好きから熱い注目を集めています。

建築家ジェフリー・バワの手掛けたホテルに滞在すれば、ただ寝泊まりするだけでなく、大自然に溶け込んだ建築芸術を体感できる特別な時間が過ごせます。

ユイ

例えば世界初のインフィニティプール(水平線と一体化したプール)を生み出したのもバワであり、その革新的なアイデアは高級リゾートブランド「アマン」にも影響を与えたと言われています。

スリランカの豊かな緑や海と一体となった空間演出、そして随所に散りばめられた伝統工芸や美術品の数々。唯一無二の「バワ建築」の世界観を味わえるホテルに泊まることは、女子旅や家族旅行にも格別の思い出をもたらしてくれるでしょう。

本記事では、スリランカ各地にあるジェフリー・バワ設計の有名ホテルを厳選して15軒ご紹介します。

エラ

高級ビーチリゾートから隠れ家ヴィラまで、各ホテルの特徴や所在地、価格帯をまとめました。建築好きはもちろん、リラックス目的の旅行者にも魅力満載の「バワホテル」の世界へご案内します。

目次

ジェフリー・バワとは?トロピカル建築の巨匠

まずはジェフリー・バワ(Geoffrey Bawa, 1919–2003)について簡単に押さえておきましょう。バワはスリランカ出身の建築家で、「熱帯モダニズム(トロピカル・モダニズム)」の先駆者として知られています。

ジェフリーバワ

元々は弁護士として活動していましたが、30代後半で一念発起して建築家に転身しました。

アルジュン

イギリスや南アジア各地を旅して各国の建築に触れた経験から、伝統とモダンデザインを融合させた独自の「熱帯建築様式」を確立したのです。

建物内部に中庭や水盤を取り込み、壁や仕切りを最小限にして室内外の境界を曖昧にする設計手法は、スリランカの豊かな光と風を建築に招き入れます。さらに現地の木材・石材など自然素材を活かし、バティック布や彫刻といった伝統工芸を随所に取り入れることで、モダンでありながら郷愁を感じる空間を生み出しました。

バワは約40年のキャリアで30以上のホテルを設計し、そのうちスリランカ国内で実際に建てられたものは12前後と言われますモルディブなど海外の作品も一部あり)。

その多くが高く評価され、建築界のみならず世界中のリゾートデザインに大きな影響を与えました。例えば前述のようにインフィニティプールという画期的なアイデアを最初に形にしたのもバワですし、彼の設計哲学は後に多くの高級リゾートで踏襲されました。

インフィニティプール

また自身の自宅や別荘までも一般客が宿泊できる施設として公開した点も特筆すべきでしょう(後述の「ナンバー11」や「ルヌガンガ」がそれに当たります)。まさに「スリランカ建築界の至宝」とも言える存在です。

スリランカのバワ建築ホテルの魅力

バワが設計したホテルに滞在することは、「極上の癒やしと感動を同時に味わえる」特別な体験です。

最大の魅力は自然と建築のシームレスな融合にあります。敷地の樹木や岩盤を壊さず建物の一部に取り込むなど、周囲の自然環境と一体化した空間デザインによって、ホテル内にいながら大自然の中に溶け込むような開放感を味わえます。

エラ

建物とジャングルが一体となったヘリタンス・カンダラマでは、まるで遺跡が森に還ったかのような神秘的景観を呈し、ロビーに一歩入ると目前にシギリヤの巨岩を望む絶景が広がります。

また館内に小動物が自由に行き交うのもバワホテルならではの光景です。ヘリタンス・カンダラマでは野生のサルや色鮮やかな鳥たちが中庭に姿を現し、まるで森の中にいるかのような驚きがあります。こうした演出により、滞在中ずっと風や光、緑を感じられるため、心身ともにリラックスできます。

ユイ

さらにバワホテルは建築そのものが観光名所級の芸術作品です。館内には著名アーティストによる美術工芸品が多く飾られており、ホテルごとにテーマがあります。

例えばベントタ・ビーチ(シナモン・ベントタ・ビーチ)では、建物の再オープン時にオリジナルのバティック天井画や彫刻が修復され、エナ・デ・シルバやバーバラ・サンソニといった芸術家の作品が当時のまま配置されています。

宿泊するだけで建築巡りと美術鑑賞が同時に叶うような贅沢な空間なのです。その上これらのホテルはすべて5つ星クラスで設備・サービスの質も折り紙付き。スパやプール、グルメなどリゾートとして純粋に楽しめる要素も充実しています。

用途や規模のバリエーションが豊富なのも特徴です。内陸のエコリゾートからビーチ沿いの大型リゾート、小規模なヴィラや邸宅ホテルまで、様々なタイプのバワホテルが存在するため、カップル・女子旅・家族旅行など旅のスタイルに合わせて選択できます。

いずれも唯一無二のロケーションとデザインを備えており、ハネムーンや記念日旅行、自分へのご褒美旅にも最適です。「バワ建築」を巡るためだけにスリランカを訪れる価値がある、とまで言われるゆえんをぜひ実際に体感してみてください。

スリランカのバワ建築ホテル15選一覧

まずはジェフリー・バワが設計に関わったスリランカ国内のホテル15軒を一覧表でまとめました。各ホテルの所在地、1泊あたりの目安料金(日本円)、主要な特徴を比較できます。

ホテル名 (所在地)1泊の目安料金 (JPY)※主な特徴・魅力
ナンバー11
コロンボ
約¥30,000~(貸切料金)バワ自邸を改装した2部屋限定のスイート。建築ファン必見の調度品。予約制ツアーで見学も可。
デ・サラーム・ハウス
コロンボ
約¥18,000~¥23,0001980年代築の邸宅を改装した全4室のブティックホテル。閑静な高級住宅街シナモンガーデンに立地し、レトロ優美な内装で静かに寛げる。
ジェットウィング・ラグーン
ネゴンボ
約¥15,000~¥27,000バワ初設計のリゾートホテル。空港から車で30分と好アクセス。潟湖と海に挟まれた立地で、100mの南アジア最長プールが名物。ウェルネス施設も充実。
ベントタ・ビーチ
ベントタ
約¥23,000~¥38,0001960年代創業の名作リゾートを改装復元した五つ星ホテル。エナ・デ・シルバ作の色鮮やかなバティック天井画やラキ・セナナヤケ作の彫刻が迎える芸術空間。プール・キッズ施設完備で家族連れにも人気。
ザ・ヴィラ・ベントタ
ベントタ
約¥28,000~¥45,000スリランカ初のブティックホテルとしてバワが改装。14室のみの邸宅型リゾートで、洗練されたインテリアと2つのプールを備える。上質なサービスで記念日の滞在や女子旅にも好評。
クラブ・ヴィラ
ベントタ
約¥15,000~¥23,0001970年代築の別荘を改装した全17室の隠れ家ホテル。クラシカルな内装と南国の庭園が魅力。ゲームルームなど娯楽設備もありアットホームな雰囲気で、子連れファミリーにも居心地が良い。
ヘリタンス・アフンガッラ
アフンガッラ
約¥20,000~¥30,000世界初のインフィニティプールを備えた五つ星ビーチリゾート。インド洋を一望する開放的なロビーや中庭があり、建物自体が南国建築の傑作。別名「トリトンホテル」。
ジェットウィング・ビーチ
ネゴンボ
約¥18,000~¥27,000空港至近のネゴンボにあるスタイリッシュな海辺のホテル。全室オーシャンビューの開放的設計で静かな雰囲気。2005年にバワの弟子による改装を経てもなお当初のデザインエッセンスが息づく。
ヘリタンス・カンダラマ
ダンブッラ
約¥23,000~¥38,000ジャングルに溶け込む伝説的エコホテル。岩壁に沿って建つ姿は「天空の城」と称され、ロビーから世界遺産シギリヤを遠望。世界初のLEED認証グリーンホテルで環境配慮も徹底。施設・アクティビティも豊富。
アヴァニ・カルタラ・リゾート
カルタラ
約¥18,000~¥30,000川と海に囲まれた水辺のオアシスリゾート。要塞風の近代的建物はバワの遺作プランを基に完成。充実設備で快適、隣接するアナンタラのレストランやスパ利用も可。コロンボから車で約1時間。
ジェットウィング・ライトハウス
ガル
約¥28,000~¥42,000世界遺産ゴール旧市街を望む岬の大型リゾート。館内の渦巻階段にはラキ・セナナヤケ制作の群像彫刻が配され圧巻の演出。客室85室・プール3箇所・スパなど設備充実で、カップルから家族まで快適に過ごせる。
ザ・ブルー・ウォーター
ワドゥワ
約¥21,000~¥36,000コロンボ近郊ワドゥワにあるバワ晩年の大型作。ヤシの木立と水盤が点在する庭園と直線的建築美のコントラストが印象的な5つ星ビーチホテル。豊富なレストランと娯楽設備で家族旅行にも最適。
ザ・ラスト・ハウス
タンガル
約¥23,000~¥38,000その名の通りバワ最後の設計作品となった全6室のビーチヴィラ。鮮やかなイエローの外壁とコロニアル風のインテリアが調和する南海岸の隠れ家。1棟貸切も可能で、ヨガやアーユルヴェーダ体験も提供。静けさの中で贅沢なプライベート滞在を満喫できる。
ルヌガンガ
ベントタ郊外
約¥38,000~¥60,000バワが生涯を捧げた理想郷の庭園を宿泊施設化した唯一無二の場所。15エーカーにおよぶ広大な水辺の敷地に点在する客室はそれぞれ趣が異なる。緑豊かな庭園は宿泊者が自由に散策可能で、ガーデンツアーも毎日開催。カップルの隠れ家に最適。
ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラ
ベールワラ
約¥15,000~¥23,000旧ネプチューンホテルを改装したアーユルヴェーダ専門リゾート。バワ設計の建物を活かしつつ、伝統医療の聖地としてリトリート滞在に特化。医師常駐で本格施術を提供。静穏な環境で心身をリセットできる。

※料金は2名1室利用時の1泊あたり概算(税・サービス料別)。季節や予約経路により変動します。

それでは、それぞれのホテルについて詳しく見ていきましょう。

コロンボ市内のバワ建築に泊まる: ナンバー11 & デ・サラーム・ハウス

ナンバー11
ナンバー11

ナンバー11(Number 11)は、ジェフリー・バワ自身が長年暮らしたコロンボの自邸を改装した宿泊施設です。2フロアからなる貸切タイプのスイートで、バワが蒐集した調度品やアートが室内に惜しみなく配されています。

建築ファンにとっては聖地とも言える場所で、日中は予約制のガイドツアーで見学も可能ですが、宿泊ゲストだけが立ち入れるプライベート空間もあり、バワのライフスタイルを追体験できる貴重な機会となっています。

アルジュン

コロンボ市内中心部の静かな高級住宅街に位置し、市街観光の拠点としても便利です。料金は1泊約3万円~と高級ですが、2ベッドルームを丸ごと使えるためグループやファミリーでの利用にも向いています。

デ・サラーム・ハウス(De Saram House by Geoffrey Bawa)は、コロンボのシナモンガーデン地区に佇むバワ設計の邸宅を改装した小さなホテルです。

デ・サラーム・ハウス

1980年代に建てられた個人宅をゲストハウス化したもので、客室はわずか4室のみ。テラコッタタイルやアンティーク家具を配した内装はどこか懐かしく趣があり、都会の喧騒を忘れて過ごせる隠れ家的雰囲気です。

庭の緑に囲まれたテラスで朝食をいただく時間は格別で、コロンボ滞在にゆとりと優雅さをプラスしてくれるでしょう。なお宿名の「デ・サラーム(De Saram)」はバワの友人である依頼主の姓にちなみます。市内中心部やバワ建築の名所(バワの事務所やセマングル)へのアクセスも良好です。

ジェットウィング・ラグーン – バワ初設計のリゾート

ジェットウィング・ラグーン
ジェットウィング・ラグーン

ジェットウィング・ラグーン(Jetwing Lagoon)は、バワが最初に手掛けた記念すべきリゾートホテルです。

首都コロンボの北、ネゴンボのラグーン(潟湖)とインド洋に挟まれた細長い地形に位置し、ホテルのすぐ両側に水辺が広がるユニークなロケーションです。

バワはこの1960年代のプロジェクトで「自然と調和する建築」という自身の哲学を初めて実験的に具現化しました。敷地内には全長100メートルにも及ぶ屋外プールが設けられており、これは現在でも南アジア最長クラスを誇ります。

ユイ

ヤシの木陰が揺れるプールサイドで、潟湖から吹く涼風を感じながら過ごす時間は格別でしょう。

客室は平屋造りでゆったりとした造り。スパやアーユルヴェーダ施設も充実しており、長旅の最初や最後に身体を癒やす滞在にも最適です(空港から車で約30分と近距離です)。

歴史あるホテルですが改装が重ねられており、直近では2024年にリノベーションが実施されています。伝統とモダンが調和した空間で、バワ建築の原点を感じてみてください。

シナモン・ベントタ・ビーチ – 歴史的名作リゾートが復活

シナモン・ベントタ・ビーチ
シナモン・ベントタ・ビーチ

シナモン・ベントタ・ビーチ(Cinnamon Bentota Beach)は、スリランカ南西部ベントタに位置する老舗リゾートです。

1967~69年にバワが設計・建設し、当時「ベントタビーチホテル」として開業したアジア有数の高級リゾートでした。その後老朽化に伴い一時閉鎖されましたが、2019年末に「シナモン」ブランドの下で大規模改修の末よみがえり、往年の輝きを取り戻しています。

館内にはバワと親交のあった芸術家ラキ・セナナヤケ制作の彫刻や、エナ・デ・シルバ&バーバラ・サンソニ制作の色鮮やかなバティック(ろうけつ染め)天井画が当時のまま保存・復元されており、まさに芸術作品の中に宿泊しているかのような体験ができます。

シナモン・ベントタ・ビーチの天井画
ユイ

177室という客室規模ながら、建物は横に広がる低層スタイルで景観に溶け込み、全室からベントタ川やインド洋の風景を望めます。

敷地内にはメインプールの他にキッズプールやプレイルームも備わり、家族旅行でも退屈しません。新婚旅行で訪れるスリランカ人カップルも多く、イベント会場として使われることもあるエレガントなリゾートです。

パラダイス・ロード・ザ・ヴィラ・ベントタ – スリランカ初のブティックホテル

ザ・ヴィラ・ベントタ
ザ・ヴィラ・ベントタ

ザ・ヴィラ・ベントタ(The Villa Bentota)は、スリランカにおける「ブティックホテル」の先駆けとなった宿です。

元々は19世紀築のムドリヤ(地主)邸宅をバワが改装し、自身も一時所有していた歴史ある建物です。14室のみの客室はそれぞれ内装デザインが異なり、アンティーク家具や大胆な色使いのファブリックがスタイリッシュに調和しています。

ユイ

邸宅の離れのように並ぶヴィラ棟と緑豊かな庭園、そして2つの屋外プールを備え、ゲストは思い思いのプライベートな時間を過ごせます。

ビーチへは庭続きの小道と線路を越えてすぐ(徒歩2分ほど)で、波音をBGMにした散策も楽しめます。

有名デザイナーが手掛ける別ブランドにより運営されているためサービス品質も高く、スタッフの洗練されたホスピタリティは評判です。大人の隠れ家として人気が高く、記念日や女子旅で訪れる旅行者も多いホテルです。

クラブ・ヴィラ(Club Villa Bentota) – バワの隠れ家ヴィラを改装

クラブ・ヴィラ
クラブ・ヴィラ

クラブ・ヴィラ(Club Villa)は、ベントタで静かな人気を誇るブティックホテルです。

1970年代にバワが友人のために設計した別荘を、後にホテルへと改装した経緯があります。17室の客室はコロニアル風のクラシカルなインテリアでまとめられ、木製の梁や調度品からはどこか懐かしい温もりが感じられます。

建物と一体になった小さな中庭や池、南国植物が生い茂るガーデンが随所に配置され、自然と建築の連続性というバワの哲学が隅々にまで行き渡っています。

アットホームな雰囲気と居心地の良さもクラブ・ヴィラの魅力で、ライブラリーやビリヤード台のあるゲームルーム、緑に囲まれた開放的なプールなど、小規模ホテルながら滞在を楽しむ設備が揃っています。

ルヌガンガ(後述)を訪れる際の拠点にも便利な立地で、周辺の他のバワ建築巡りを計画している旅行者にも適した一軒です。

ヘリタンス・アフンガッラ – 世界初の無限プールを持つ傑作

ヘリタンス・アフンガッラ
ヘリタンス・アフンガッラ

ヘリタンス・アフンガッラ(Heritance Ahungalla)は、スリランカ南西海岸のアフンガッラに位置するラグジュアリー・ビーチリゾートです。

旧称トリトンホテルとも呼ばれ、1981年に開業したこのホテルは、当時スリランカ初の5つ星ビーチリゾートとして話題を集めました。

ユイ

最大の見どころは、なんといってもインフィニティプールです。現在では世界中のリゾートで見かけるインフィニティプールという概念を初めて形にしたのが、このホテルの設計に他なりません。

青い空とインド洋へ水面が溶け込むようなプールと、その間に配置された有名な「ラブソファ」に横たわれば、まるで空と海に浮かんでいるかのような至福のひとときを味わえます。

建物自体もバワのトロピカルモダンの真骨頂で、オープンエアのロビーからは海風が吹き抜け、一直線に伸びる回廊と中庭がリズミカルに連なり室内外の境界を曖昧にしています。

152室の客室を擁し設備も整った大型リゾートでありながら、随所に自然の素材感と風合いを活かした空間設計のおかげで心地よい開放感に満ちています。近年ではリノベーションも行われつつ、その本質的な魅力は不変のまま受け継がれています。

ジェットウィング・ビーチ – ネゴンボのスタイリッシュな海辺の宿

ジェットウィング・ビーチ
ジェットウィング・ビーチ

ジェットウィング・ビーチ(Jetwing Beach)は、コロンボ国際空港から車で20分ほどのリゾートタウン、ネゴンボに位置する海辺の高級ホテルです。

元々は「ロイヤルオーシャンニック」という名称で1984年に開業し、建築はバワが担当しました。その後2005年にバワの弟子ヴィノッド・ジャヤシンハ氏による改装を受けていますが、バワ独自の設計エッセンスは随所に継承されています。

客室は全室オーシャンビューで、プライベートバルコニーからはヤシの木越しにビーチの景色を一望できます。建物からビーチへ向かう動線は極めてスムーズで、客室からプールデッキ、さらにその先の砂浜へと自然に導かれるような配置計画が施されています。

ユイ

これは「空間をレイヤー状に重ね、内から外へグラデーションのように連続させる」というバワの得意とした手法で、機能的でありながら詩的な雰囲気を演出しています。

館内には複数のレストラン・バーやスパ、テニスコートなども備わり、トランジットの合間に贅沢なリゾート気分を味わうのにも最適です。

ヘリタンス・カンダラマ – 大自然に溶け込む天空の城

ヘリタンスカンダラマ
ヘリタンス・カンダラマ

ヘリタンス・カンダラマ(Heritance Kandalama)は、スリランカ内陸部ダンブッラ近郊に位置する伝説的なホテルです。1994年に開業したこのホテルは、ジャングルの中腹の岩壁に沿って巨大な建築が横たわる圧巻の姿から「天空の城」「緑の要塞」などと称されます。

遠方から見ると木々に覆われ建物の輪郭が溶け込んで見えるほど自然と一体化しており、朝もやに浮かぶ姿は神秘的です。ロビーに到着した瞬間、額縁のように切り取られた窓の向こうに世界遺産シギリヤ・ロックが遠望できる演出には誰もが息を呑むでしょう。

客室階もまた岩肌に沿って配置され、バルコニーからはカンダラマ湖と密林の雄大なパノラマが広がります。館内の随所に開放的な中庭や水盤があり、野生のサルや美しい野鳥が姿を見せ、人と自然が共生する楽園のような体験ができます。

環境への配慮も際立っており、本ホテルは2000年に世界初のLEED認証グリーンホテルとなりました。またアジア初のグリーングローブ21認証取得ホテルでもあり、徹底したエコ・サステナビリティで知られます。

ユイ

レストラン3箇所、インフィニティプールを含むプール2箇所、スパやスポーツ施設(テニスコート、ジム)など設備も充実しており、大自然の中で贅沢かつ快適に過ごせる奇跡のようなリゾートです。

アルジュン

シーギリヤロックの近くにあるので、文化三角地帯の拠点として旅行者に愛好されていますね!

国際的にもバワ最高傑作の一つとして評価が非常に高く、「死ぬまでに泊まるべきホテル」に必ず名が挙がるほどの名物ホテルです。

アヴァニ・カルタラ・リゾート – 川と海に抱かれた水辺のオアシス

アヴァニ・カルタラ・リゾート
アヴァニ・カルタラ・リゾート

アヴァニ・カルタラ・リゾート(Avani Kalutara Resort)は、コロンボの南約1時間、カルタラに位置するリゾートホテルです。

カルタラ川とインド洋に挟まれた三角州状の土地に建っており、三方を水に囲まれたまさにオアシスのような立地が魅力です。元々この場所にはバワが設計を構想していた大型リゾート計画があり、彼の没後に設計プランを引き継いで形にした経緯があります。

ユイ

そのため建物随所にバワ建築のエッセンスが感じられ、外観は要塞を思わせるようなどっしりとした幾何学的デザインです。白壁とオレンジ屋根のコントラストが青い海と空によく映えます。

客室は近代的で機能的なつくりで快適さを重視。隣接する同系列の高級宿「アナンタラ・カルタラ・リゾート」が徒歩圏にあり、宿泊者はアナンタラ側のレストランやスパ施設も利用できます。

リゾート内には大きなプールや水上スポーツ設備、アーユルヴェーダスパなどが備わり、アクティブに過ごしたい方から静かに癒やされたい方まで幅広く満足できるでしょう。夕暮れ時には川面に沈む夕日と海から吹く潮風を同時に感じる贅沢な時間が訪れます。

ジェットウィング・ライトハウス – ゴールの砦を望む海岸の名建築

ジェットウィング・ライトハウス
ジェットウィング・ライトハウス

ジェットウィング・ライトハウス(Jetwing Lighthouse)は、南部の世界遺産都市ゴールの郊外、岩礁が突き出た岬の上に建つ名門ホテルです。

1997年に開業したバワ晩年の大型リゾートで、設計当時はスリランカ有数の高級ホテルとして注目されました。エントランスを入ると迎えてくれるのが、吹き抜け空間にそびえるらせん階段です。

その壁面にはスリランカの芸術家ラキ・セナナヤケによる青銅製の群像彫刻が配され、17世紀オランダとの戦いの情景を描いたドラマチックな作品となっています。この圧巻のアートと建築の融合演出は、本ホテルを象徴する名スポットとして有名です。

Jetwing lighthouseの群像彫刻

階段を上がった先に待つロビーからはインド洋の大海原が一望でき、水平線と一体化した開放的な設計に思わず感嘆するでしょう。客室数は85室と比較的大型で、3つの屋外プール、スパ、テニスコート、複数のレストラン・バーなど施設も充実しています。

ファミリーからカップルまで幅広い客層に対応し、館内至るところにバワの美学が宿っています。中庭や回廊を巧みに配置して屋内外を連続させ、常に海風と波音を感じられる造りは見事です。単なる宿泊施設の域を超え、自然・美術・建築が融合した「生きた美術館」のようなリゾートと言えるでしょう。

ザ・ブルー・ウォーター – コロンボ近郊、バワ最後の大型ホテル

ザ・ブルー・ウォーター(The Blue Water)
v

ザ・ブルー・ウォーター(The Blue Water)は、コロンボ市街から南へ車で約1時間のワドゥワに位置する5つ星リゾートです。バワが設計した最後の大型ホテルプロジェクトとして知られ、1998年に完成しました。

広大なビーチ沿いの敷地にはヤシの木立ちが並び、エントランスから続く長いアプローチを抜けると、水盤(反射池)を湛えた中庭がゲストを迎えます。

エラ

建物は直線を基調としたモダンな意匠でありながら、周囲の豊かな熱帯植物の曲線とコントラストを成し、調和の中にも緊張感を漂わせるデザインです。

アルジュン

その空間構成は巨大な中庭を持つ都市の広場(パラッツォ)を思わせるもので、バワが過去に構想した未成案をこの地で甦らせたと言われています。

館内には6つのレストラン&バーがあり、キャンドルライトのロマンチックなディナーからカジュアルなビュッフェまで多彩な食の楽しみを提供しています。夜はプライベートナイトクラブや生演奏のエンターテイメントもあり、リゾート内で一日中飽きることがありません。

また大型プールに子供用プール、テニスやスカッシュコート、ビリヤードなどアクティビティ設備も豊富で、家族旅行でも充実した時間を過ごせます。結婚式会場としても人気があり、ヤシの木陰と海風に包まれたセレモニーは一生の思い出になるでしょう。バワ最晩年の洗練が宿る本リゾートで、至福のバカンスを堪能してみてください。

ザ・ラスト・ハウス – 文字通り“最後”のビーチ邸宅

ザ・ラスト・ハウス(The Last House)は、スリランカ南部タンガル近郊の穏やかなビーチに佇むブティック・ヴィラです。その名が示す通り、ジェフリー・バワが手掛けた最後の住宅作品であり、彼の「遺作」とも言える存在です。

6室のみの小規模な宿泊施設ですが、プライベートヴィラ形式で運営されており、一棟貸切での利用も可能です。

ユイ

鮮やかなオークルイエローの外壁に真っ青な窓枠と扉というポップな色使いが目を引き、遊び心溢れる南国の邸宅といった趣きです。

館内はオープンエアのリビングや高い天井を備え、アンティーク調の家具やハンドルーム織のファブリックが配されており、懐かしさと洒落っ気が同居する空間となっています。庭から直接出られる静かなビーチはプライベート感に溢れ、波打ち際を散策したり読書をしたりと思い思いに過ごせます。

希望すればヴィラ内でヨガクラスやアーユルヴェーダマッサージを受けることもでき、まさに贅沢な隠れ家ステイです。レストランはありませんがシェフがおり、新鮮なシーフードや地元食材を使った食事を用意してくれます。

欧米からのリピーターも多く、「何もしない贅沢」を味わうにはうってつけの一軒です。建築的視点では、小規模住宅でありながらバワの設計哲学(屋内外のシームレスな繋がりや大胆な色彩など)が随所に見られ、ファンにとって興味深い滞在となるでしょう。

ルヌガンガ – バワが生涯を捧げた理想郷の庭園

ルヌガンガ
ルヌガンガ

ルヌガンガ(Lunuganga)は、ジェフリー・バワが生涯をかけて創り上げた私有の庭園邸宅で、彼の創作活動の原点かつ集大成とも言える場所です。

コロンボから南へ車で約2時間、ベントタ湖のほとりに広がる約6ヘクタール(15エーカー)の広大な敷地には、バワが自らデザインした緑豊かな庭園と点在する建物群があります。

ユイ

本来個人別荘でしたが、現在はカントリーエステート型のブティックホテルとして一般公開され、宿泊体験が可能です。客室は敷地内に10部屋ほどが離れで配置されており、それぞれ趣や景色が異なります。

例えばバワが愛用した船具を配した「シップヤード」、植民地時代風の「レストハウス」などユニークな名前が付けられ、建築ファン心をくすぐります。

宿泊者には毎朝夕、庭園管理人によるガーデンツアーが無料で提供され、バワが描いた夢の楽園を詳細に案内してもらえます。湖畔に面したレストランで頂くスリランカ料理も評判で、鳥のさえずりと水面を渡る風を感じながらの食事は格別です。

ルヌガンガはカップルの隠れ家やハネムーン目的地としても人気が高く、そのロマンチックな雰囲気に魅了される人が後を絶ちません。バワが「庭の中の孤独な人」と呼ばれたように、ここでは自然と静寂に抱かれた豊かな時間が流れます。喧騒から離れ、自分と向き合う贅沢をぜひ味わってみてください。

ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラ – バワ設計のウェルネスリゾート

Heritance Ayurveda Maha Gedara

ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラ(Heritance Ayurveda Maha Gedara)は、南西部ベールワラにあるアーユルヴェーダ専門リゾートです。

1960年代にバワが設計し「ネプチューンホテル」の名で開業した老舗ホテルを、2010年代にアーユルヴェーダ治療に特化したウェルネス施設としてリブランドしたものです。

ユイ

建物自体は白壁に赤瓦屋根の典型的な熱帯建築スタイルで、オープンエアの回廊や中庭が風通し良く配置され、バワ作品らしい落ち着きが漂います。

名称の「マハ・ゲダラ」はシンハラ語で「祖先の家」を意味し、その名の通り訪れる人が自宅に戻ったようにリラックスできる雰囲気作りがなされています。ここでは本格的なアーユルヴェーダ療法を目的とした滞在プログラムが組まれており、チェックイン時に専門医のカウンセリングを受け、体質に合わせた食事・施術・ヨガなどが処方されます。

アルコール提供もなく静穏な環境が保たれているため、治療に専念し心身を整えるのに最適です。客室はシンプルで清潔感があり、全室バルコニー付き。

海沿いの敷地で、敷地からビーチへ直接アクセスすることもできます(遊泳不可)。スリランカ伝統医療の聖地として世界中から滞在客が訪れており、チェックアウト時には驚くほど健康状態が改善したと実感する人も多いそうです。観光目的というよりは「滞在型の癒やし」にフォーカスした特異なホテルですが、バワが遺した建築空間で身も心もリセットできる体験は、ある意味究極の贅沢かもしれません。

まとめ:スリランカのバワホテルで極上の時間を

以上、ジェフリー・バワが設計に携わったスリランカの有名ホテル15軒をご紹介しました。それぞれに個性豊かな魅力があり、建築ファンならずとも心惹かれるポイントばかりです。最後に要点を箇条書きで振り返りましょう。

  • 建築と自然の一体感:バワ設計のホテルは周囲の環境と見事に調和しており、滞在中ずっと南国の風・光・緑を感じられる開放的な空間が特徴です。どのホテルも非日常の癒やしを提供してくれます。
  • 多彩なラインナップ:内陸ジャングルに佇むエコリゾートから、ビーチ沿いの大型リゾート、さらには小規模な邸宅ヴィラまで、様々なタイプの「バワホテル」が存在します。旅の目的や同行者に合わせて最適な一軒を選べるのも魅力です。
  • 宿そのものが観光名所級:美しい建築デザインと館内の芸術品が調和し、ホテル自体が一つの芸術作品です。わざわざ外出しなくても、滞在するだけで建築巡り&美術鑑賞になる贅沢な体験ができます。
  • 安心のクオリティ:今回紹介したホテルはすべて高級カテゴリーのため、設備やサービスの質も高水準です。スパやプール、ダイニングなどリゾートステイを満喫する要素が揃い、快適性も申し分ありません。
  • 特別な旅に最適:唯一無二のバワ空間で過ごす時間は、一生忘れられない思い出になるでしょう。ハネムーンや記念日旅行はもちろん、女子旅での非日常体験や家族旅行でのリゾート満喫にもぴったりです。ぜひスリランカを訪れる際は、バワ建築ホテルで極上のステイを体験してみてください。

素晴らしいスリランカ旅行になりますよう、心からお祈りしています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次