スリランカの治安は今どうなっている?
エメラルド色の海と黄金のビーチ、美しい自然と豊かな文化遺産を誇るスリランカ。

しかし近年、「経済危機のデモや昔のテロ事件があったけど治安は大丈夫?」と不安に思う声もありますよね。結論から言えば、現在のスリランカ全土の危険度レベルは1(十分注意)で、基本的に渡航は可能です。


とはいえ、やっぱり先進国とは違って女子だけの旅は少し怖いわね・・・。



2022年には経済状況の悪化から全国で大規模な抗議デモが頻発し、一時は政情不安に陥りましたが、その後の政権交代と国際支援により2023年以降デモの混乱は沈静化し、現在は散発的な小規模抗議が見られる程度まで落ち着いています。
2024年末には大統領選・議会選挙も平穏に実施され、新政権の下で徐々に安定を取り戻しつつあります。



とはいえ、「十分注意」が必要な状況であることに変わりありません。増税や民営化策への反発デモが今後も起こり得るため、渡航時は現地ニュースや外務省の海外安全情報をチェックし、集会やデモには近づかないようにしましょう。
また、2019年4月にはコロンボなどで同時多発爆破テロ(イースター事件)が発生し、死者約250名の惨事となりました。現在は政府の徹底的な治安対策により大規模テロの可能性は低いと評価されていますが、100%起きないとは言い切れません。


宗教施設や高級ホテル、人が多く集まる場所では引き続き警戒を怠らず、不審な様子に気付いたら速やかにその場を離れるなど自己防衛を心がけてください。
犯罪発生率は日本より高め?安全レベルをデータで比較
確かに統計上、スリランカの犯罪発生率は日本より高く、人口あたりの殺人は日本の約3.5倍、強盗は約11倍とのデータがあります。
2021年には全犯罪認知件数がおよそ3万5千件(殺人約500件、強盗約2,000件)と報告されており、日本に比べると数字は大きめです。
1 犯罪発生状況
スリランカ警察の発表によれば、2021年の犯罪認知件数は約3万5千件であり、その中でも殺人事件は約500件、強盗事件は約2千件発生しており、人口当たりの発生率は、殺人事件が日本の約3.5倍、強盗事件は約11倍となっています。
コロンボや主要観光都市を中心にスリ、置き引きやひったくりなどの窃盗事件が多く発生しているほか、外国人が強盗や性犯罪などの凶悪事件に巻き込まれる事例もあります。また、違法薬物犯罪が急増しています。スリランカへの渡航・滞在にあたっては、日本とは異なる治安状況にあることを認識し、トラブルに巻き込まれないように十分な注意が必要です。
引用元:外務省:スリランカ 犯罪発生状況、防犯対策



これだけ聞くと不安になりますが、裏を返せば日本が世界でも突出して安全だということ。
実際、世界平和指数(Global Peace Index)2023年版のランキングではスリランカは163か国中およそ100位前後の中位レベルで(参考までに日本は6位)、南アジア・東南アジア全体で見ても「日本ほど治安は良くないが旅行に適した安全水準」と評価できます。



私たちは日本の治安の良さに慣れてしまっているのね。恵まれているんだということを心に留めないといけませんね。
内戦終結後の2010年代、スリランカは安定傾向にありましたし、経済危機で一時悪化した治安も現在は回復してきています。
各国政府の渡航アドバイスも確認してみましょう。日本外務省は全土「レベル1:十分注意してください」としています。米国務省も2024年時点でスリランカを渡航情報レベル2(十分注意して旅行せよ)に指定しており、カナダ政府も「高い注意を払うように(Exercise a high degree of caution)」と勧告しています。
データで見るスリランカと日本の安全度比較
指標・評価 | スリランカ | 日本 |
---|---|---|
外務省危険度レベル | 1(十分注意) | ― |
米国務省渡航勧告 | 2(十分注意して渡航) | 1(通常注意) |
世界平和指数ランク (2023年) | 約100位/163か国 | 6位 |
殺人発生率(人口比) | 日本の約3.5倍 | 基準(1とする) |
強盗発生率(人口比) | 日本の約11倍 | 基準 |
※日本の「基準」は便宜上の目安です。スリランカの犯罪率は日本より高めですが、アジア平均で見れば決して突出して危険な国ではありません。
旅行者が気をつけるべき犯罪トラブルと対策
スリランカは穏やかな国民性で親日的な人も多く、基本的に旅行者に優しい国です。それでも海外旅行である以上、スリや詐欺などの軽犯罪には注意が必要です。



ここからは、日本人旅行者が巻き込まれやすいトラブル事例と防犯対策を紹介します。しっかり対策しておけば、20代女性の一人旅から家族連れ、シニア旅行まで安心して楽しめますよ。
スリ・ひったくり・置き引き被害
混雑した観光地や公共交通内では、スリ(掏り)や置き引き、ひったくりが日常茶飯事です。
例えばマーケットやバス車内でバッグから財布やスマホを抜き取られたり、駅で荷物に目を離した隙に盗まれるケースが報告されています。
実際に宿の部屋に置いていた荷物が盗まれた例もあり、油断は禁物です。
観光客狙いの詐欺・ぼったくり



「親切な現地人」の誘いには要注意! 観光地や寺院で「特別な儀式があるから案内するよ」と話しかけられ、ついて行ったら宝石店に連れて行かれて高額な宝石を買わされた…という典型的な宝石詐欺の事例があります。
他にも「記念に写真を撮ってあげる」と近づき、こちらのスマホを持ち逃げしたり、写真撮影中に荷物を盗む手口もあります。
また、「土地を格安で買わないか」と不動産購入話を持ちかけ大金をだまし取る詐欺も報告されています。
残念ながら外国人旅行者はカモにされやすく、日本語で話しかけて油断させるケースも目立ちます。
高額な投資や不動産購入の勧誘は、その場で即決せず必ず専門家や第三者に相談してください。



また、現地で知り合った人と食事するときは自分の飲食物から目を離さないこと。席を立った後や他人から勧められた飲み物には口を付けないようにしましょう。
睡眠薬を盛られ意識朦朧となった隙に金品を盗まれるケースもあるため、お酒の席でも警戒を怠らないでください。
交通機関でのトラブル(タクシー・トゥクトゥク等)
スリランカの庶民の足である三輪タクシー(トゥクトゥク)やタクシーでは、外国人相手に運賃を吹っかけられたり遠回りされる「ぼったくり被害」が頻繁に起こります。


中には乗車後に全く違う場所へ連れて行かれ、高額料金を脅し取られた例もあり注意が必要です。
また、公共バスや鉄道内でも混雑に乗じてスリ被害が多発し、特に長距離移動中の外国人は狙われやすい傾向にあります。停留所や駅構内の混雑時も油断できません。
女性旅行者への嫌がらせ・性犯罪
スリランカは比較的治安が良く人も親切なので、女性の一人旅も十分可能な国です。実際、日中観光地を歩く程度であれば大きな問題は起きにくいでしょう。


しかし、一部地域では外国人女性が珍しいため過度な注目を浴びたり、不本意なナンパや絡まれ方をされるケースもあります。
また残念ながら、女性旅行者を狙った凶悪犯罪(性的暴行や強盗)がゼロではなく、実際に起きた事例も報告されています。例えば、流しのトゥクトゥク運転手に郊外へ連れ込まれ暴行されたり、宿泊先ホテルで従業員が部屋に侵入して性的暴行を加えたケースです。夜間に出歩いていた女性が複数の男に脅され金品を奪われた事件も起きています。
宿泊先では必ずドアのチェーンロックを掛け、誰か来ても簡単に部屋を開けないよう徹底します。



仮に現地で知り合った人がいても、相手をすぐ信用しすぎないこと。部屋に招き入れたり深夜に二人きりになる状況は避け、防犯意識を持ち続けましょう。
クレジットカードの不正利用


キャッシュレス化が進むスリランカですが、クレジットカードのスキミング被害にも注意が必要です。レストランや小規模ショップでカード決済した際、店員にカードを預けた隙に情報を読み取られて不正利用されるケースが報告されています。カード情報が盗まれると日本帰国後に高額請求…なんてことにもなりかねません。
地域ごとの治安傾向:どこに注意すべき?



スリランカの治安状況はエリアによって若干異なります。観光客が訪れる主要都市と、かつて内戦の舞台となった地域とでは注意ポイントも変わってきます。それぞれ見ていきましょう。
コロンボなど都市部:デモ・軽犯罪に注意


首都コロンボは経済・政治の中心地であり、政府関連施設周辺では抗議デモが行われ衝突が起きる場合があります。もっとも現在は大規模な騒乱は起きていませんが、旅行中に偶然デモ隊に出くわしたら近寄らず速やかに離れるようにしましょう。
コロンボ市内や周辺の観光スポットでは、観光客目当てのスリや詐欺も多発しています。



有名な寺院やマーケットで「ハロー!どこから来たの?」と声をかけてくる人には要警戒です。先述の宝石詐欺の他、「お腹が空いた」と物乞いされて食べ物を渡そうとしたら「金をくれ」としつこく要求されたという体験談もあります。
日中でも薄暗い路地は避け、防犯意識を持って行動しましょう。金銭を無心されたら情に流されず、毅然と断ることも時には必要です。
コロンボを含め都市部では夜の治安に特に注意が必要です。街灯が少なく人通りのない道は昼でも避けるべきですが、夜間は男女問わず事件に巻き込まれるリスクが高まります。
深夜の徒歩移動は控え、近場でも必ずタクシーや配車サービスを利用しましょう。飲食店やバーから宿への帰り道であっても、暗い裏道を一人で歩くのはやめてください。コロンボには24時間営業のタクシー会社や配車アプリが充実していますので、安全を買うつもりで活用しましょう。
観光地エリア:リゾートは比較的安全でも油断禁物
キャンディやシギリヤ、ゴール(旧市街)といった主要観光地では、地元の人も観光業に慣れており比較的平和に過ごせます。リゾートホテル周辺は警備員もいて安全度は高めです。


ただし観光客の多い場所ほどスリやぼったくりが紛れている点は都市部と同じです。
ビーチで貴重品を無防備に置いて泳いでいたら盗まれた…なんてことが無いよう、最低限の注意は忘れずに。人気観光スポットでは親切を装ったガイドの押し売りにも気を付けましょう(スリランカでは公式に登録されたガイド以外が営業するのは禁止されています)。
もし怪しいガイドに絡まれた場合は、その場で距離を取り、必要に応じて地元の観光警察や公認ガイド協会に相談してください。
また、地方都市では夜になると店じまいが早く、人通りが極端に減ることがあります。どんなに田舎でも夜一人歩きしない習慣を徹底し、移動は信頼できる運転手付き車両かツアーを利用すると安心です。幸いスリランカの人々は総じて親切で困っている旅行者を助けてくれることも多いですが、見知らぬ相手に全幅の信頼を置くのは禁物という点はどこへ行っても同じです。



スリランカタクシーチャーターサービスが厳選したドライバーであれば、観光地で怪しいガイドに絡まれた場合も問題なく対処してくれますし、ぼったくりに遭うこともないので安心です。いわば、スリランカ旅行のお守り、保険のような役割を担ってくれます。
北部・東部:内戦の残る地域では特別な注意を
スリランカ北部州・東部州および北中央州の一部地域では、1983〜2009年の内戦の爪痕として未だ地雷が埋まったままの場所があります。





観光客が普通に訪れる都市部ではほぼ心配ありませんが、万一これら地域へ足を伸ばす場合は「地雷原(Mines)」の警告表示に注意してください。
表示が無い所でも不用意に草むらや立ち入り禁止エリアに入らないこと。道路脇に赤い立て札やドクロマークを見かけたら決して近づかず引き返しましょう。特にジャフナ半島など元紛争地帯では現在も除去作業が続いており、洪水などで埋設地雷が移動してしまう危険も指摘されています。
北部や東部を旅する際は幹線道路以外に踏み入れないのが無難です。
なお、これら地域では検問所や軍・警察の道路封鎖に遭遇することもあります。身分証明書(パスポート原本)は常に携帯し、検問では係官の指示に従ってください。写真撮影が禁止されている施設や区域もあるため、軍関連施設等の撮影は避けましょう。
外務省や現地機関の情報・サポートを活用しよう
安全に旅をするには最新情報の入手がカギです。渡航前には外務省「たびレジ」に登録して現地安全情報や緊急連絡を受け取れるようにし、旅行中も外務省海外安全ページや在スリランカ日本大使館の公式発信をチェックしましょう。



スリランカ当局も観光警察を配置するなど外国人旅行者の保護に努めています。2024年には観光客向け緊急ホットライン「1997」が導入され、旅行者が安全上の問題を24時間通報できるようになりました(英語対応可)。何か被害に遭ったり危険を感じたら遠慮なく利用しましょう。
また、緊急時の備えも大切です。盗難に遭った際は近くの警察署(代表番号119)に被害届を出し、その控えを受け取ってください。
後日保険請求やカード再発行の際に必要になります。ケガや急病の際は救急車(電話1990)を呼ぶか、主要都市であれば大きな病院へ行きましょう。
コロンボやキャンディなどには外国人が利用しやすい私立病院もあります。万一に備え、海外旅行保険には必ず加入しておくと安心です。
自然災害・衛生面にも注意
治安とは少し異なりますが、スリランカ旅行では自然災害や健康面にも気を配りましょう。南北で気候が異なるスリランカでは毎年5〜8月頃と11〜翌2月頃にモンスーン(雨期)があり、豪雨による洪水や土砂崩れが発生しています。


雨期に山間部や農村地帯を訪れる際は天気予報を確認し、危険な地域には近づかないようにしましょう。沿岸部では2004年に大津波の被害を受けた歴史もあり、海辺で過ごす際は津波避難経路を頭に入れておくとより安心です。
衛生面では、水道水は飲用に適さないためミネラルウォーターを利用し、屋台料理なども胃腸薬を携帯するなど備えてください。特に雨期はデング熱など蚊媒介の感染症が流行しやすいので、虫除け対策は必須です。日焼け止めや帽子など暑さ対策もしっかり準備しておきましょう。
まとめ:基本の対策を押さえれば安心して旅できます!
スリランカ全土の危険度レベルは1(十分注意)で、旅行自体は問題なく可能です。経済危機時に治安悪化が懸念されましたが、現在は大きく安定しています。ただしデモやテロの可能性がゼロではないため、最新情報のチェックは欠かさずに。
日本に比べれば軽犯罪のリスクは高いものの、世界的には平均的な治安水準です。日本の突出した安全さと比べて不安に感じるかもしれませんが、各国政府も「注意を払えば問題なく旅行できる」という見解を示しています。
過度に恐れず基本の防犯対策を心がけましょう。
女性の一人旅も可能ですが、特に用心深く行動することが大切です。服装や行動に気を付け、夜間の単独行動は避けてください。現地で親しくなった人でも油断せず、宿の防犯も徹底しましょう。少しでも不安を感じたら早めに立ち去る勇気を。



そんな思いをしないためにも、スリランカ現地の観光や道を熟知しているスリランカタクシーチャーターサービスが厳選したドライバーによるチャーター観光をぜひおすすめしたいです。
最新情報の収集と基本的な安全対策で安心な旅に!旅行前・旅行中は外務省や現地ニュースで治安情報や災害情報を確認し、危険な場所には近づかないようにしましょう。



海外旅行保険への加入、信頼できる交通手段の利用、周囲への配慮など準備を万全にすれば、スリランカ旅行を安全に満喫できます。万一トラブルに遭っても落ち着いて対処し、必要なら大使館や観光警察の力を借りてください。しっかり備えて臨めば、きっと楽しく思い出深い旅になりますよ。