日本から南へ約6,500km、インドのすぐ下に浮かぶ島国スリランカ。旅行の計画を立てる際、「スリランカって地図で見ると小さいし、短期間で一周できるのでは?」と思われがちです。
しかし実際には、地図上の見た目よりもずっと大きな国土を持ち、移動に意外と時間がかかることをご存知でしょうか。これはメルカトル図法による地図の“罠”で、赤道に近い国ほど実際より小さく描かれてしまうためです。
ユイスリランカを小さな国だと思い、現実的ではない旅程を組んでしまうお客さんが結構いらっしゃいます。



無理な旅程を組むと、短い期間の旅程がほぼ移動に費やされてしまうという勿体無い事態になりかねません。
せっかくのスリランカ旅行を無理な移動続きで終わらせないためにも、本記事では スリランカの実際の大きさ と インフラ事情、そして 主要都市間の距離と所要時間 を詳しく解説します。余裕を持った旅程づくりの参考にしてくださいね。
地図で見るより大きいスリランカ ~北海道の約8割、九州の約1.8倍~
世界地図で見るスリランカは小さな島に見えますが、実際の国土面積は 約65,610平方キロメートル もあります。これは日本最大の都道府県である北海道の約8割(0.8倍)に相当し、九州と比べると約1.8倍もの広さになります。





言い換えれば、スリランカは 北海道よりひと回り小さいだけで、九州のほぼ2倍 もある大きさなのです。
こう聞くと、「思っていたよりずっと大きい島だ!」と感じるのではないでしょうか。
なぜ地図で見る印象と実際の大きさが異なるのかというと、冒頭でも触れたようにメルカトル図法による歪みが影響しています。メルカトル図法の地図では高緯度の地域ほど実際より大きく描かれ、逆に赤道に近い国ほど小さく描かれてしまいます。
日本の北海道(北緯43度付近)は緯度が高く拡大され、スリランカ(北緯7度~10度)は赤道に近いため縮小されて見えるのです。その結果、世界地図上では北海道がスリランカよりかなり大きく見えますが、実際にはスリランカは北海道の8割もの面積があるというわけです。



つまり「スリランカは小さい国」という先入観は誤りであり、実際は日本の一地方と比べても遜色ない規模の国土を有しています。



地図の印象だけで移動距離を軽く見積もってしまうと、旅程に無理が生じる可能性があります。
次章では、そんなスリランカで移動に時間がかかる理由について見ていきましょう。
高速道路が少ないスリランカのインフラ事情
国土の大きさに加えて、スリランカでは道路インフラの未発達も移動時間を長引かせる大きな要因です。
スリランカは新興国であり、日本のように高速道路が国中に張り巡らされていません。主要都市間を結ぶ幹線道路はありますが、整備状況が十分でない区間も多く、平均時速は30~40km程度しか出せないのが現状です。
たとえば首都コロンボから第二の都市キャンディへは直線距離では約140kmしか離れていませんが、高速道路が未整備のため車で4時間程度見込む必要があります。





お客さんの中にはこのコロンボからキャンディの区間を1時間程度でいけると考えている方もいらっしゃいました。



大都市間ですら高速道路が整備されていないのが現状なのです。ちなみに実際は混雑しますし、悪路や山道も走りますし適宜トイレ休憩もするので5時間近くかかるのを見込んでおきましょう。
スリランカは山岳地帯が国土中央に位置するため、平坦な海沿いを走るルート以外は曲がりくねった坂道が避けられません。特に高原リゾート地帯から海岸部へ抜けるルートでは、地図上では距離が短く見えても道路事情により大きく遠回りする必要があります。
要するに、スリランカでは「地図上で近そうに見える場所でも実際の移動には時間がかかる」ことを念頭に置かなければなりません。次に、具体的な都市間の距離と車移動の所要時間の目安をいくつか見てみましょう。
主要都市間の距離と所要時間の目安
スリランカ旅行で訪れることの多い主要地について、おおよその距離と車で移動した場合の所要時間をまとめました。移動手段や道路状況によって変動しますが、旅程づくりの参考にしてください。
| 出発地 | 到着地 | 距離(約) | 車での所要時間(約) |
|---|---|---|---|
| コロンボ (Colombo) | キャンディ (Kandy) | 120km | 4時間〜5時間 |
| コロンボ (Colombo) | シーギリヤ (Sigiriya) | 170~180km | 4.5時間~5.5時間 |
| ヌワラエリヤ (Nuwara Eliya) | ゴール (Galle) | 200km前後 | 約7時間 |
| エッラ (Ella) | ゴール (Galle) | 180km前後 | 約5.5時間 |
上記のように、コロンボから文化三角地帯のシーギリヤまでは車で約4時間、同じくコロンボから世界遺産都市キャンディへも5時間近くかかります。地図上では「コロンボから日帰り観光もできそう」な印象ですが、往復で丸一日がかりの移動になる点に注意が必要です。
また、高原地帯の中心ヌワラエリヤから南部のビーチリゾート・ゴールへ横断するルートは、距離以上に山道で時間を要し、休憩を含め最低でも7時間程度は見込む必要があります。エッラなど高原エリアからゴールへ向かう場合も同様で、最短経路でも5~6時間ほどかかるのが実情です。





シーギリヤロックやキャンディなどの世界遺産を見て、ヌワラエリヤを経由してGalleを見る場合はスリランカ国内で最低でも5日以上の旅行期間が必要になります。


一方、コロンボからゴールに関しては南部高速道路(E01)が整備されているため、所要約2.5時間と比較的スムーズに移動できます。高速道路網が整っていれば移動時間は大幅に短縮できますが、そのような区間は現状限られているのです。
移動疲れしないために余裕ある旅程を組もう
以上のように、スリランカは地図で見るより広く、道路事情により移動に時間がかかる国です。
「主要観光地を欲張って詰め込みすぎた結果、毎日長距離移動でクタクタ…」という事態は避けたいですよね。せっかくの楽しい旅行が移動疲れで終わってしまってはもったいないです。
そこで大切なのが、余裕を持った旅程を組むことです。移動時間を考慮して1日のスケジュールにゆとりをもたせ、可能であれば長距離移動の前後には観光やアクティビティを詰め込みすぎないよう調整しましょう。
「この都市とあの観光地、地図では近いから一日で回れそう!」と思っても、実際には移動だけで半日以上費やすケースも多いことを念頭に置いてください。
スリランカではドライバー付きのタクシーチャーターサービスを利用すれば効率よく巡ることも可能ですが、それでも移動時間自体をゼロにはできません



むしろ専用車を手配することで途中で適宜休憩を入れたり景色の良い場所に立ち寄ったりと柔軟な旅程にできるのが利点です。車窓からのスリランカの豊かな風景を楽しむ余裕を持ちながら、安全かつ快適に旅を進めましょう。
最後にもう一度強調しますが、「スリランカは小さいからすぐ移動できる」という思い込みは禁物です。国土は北海道の8割にも及び、高速道路網が未発達なため長距離移動には時間を要します。
移動ばかりに追われる旅にならないよう、ぜひ時間にゆとりを持ったプランニングでスリランカの旅を満喫してくださいね。移動も含めて楽しめる余裕ある旅程こそ、きっと最高の思い出につながるはずです。では、スリランカの豊かな魅力をゆったりと堪能できる旅をお楽しみください!




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